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「美しい星」 


美しい星


この夏の朕の本読み。2冊め。

異色な三島由紀夫の異色作ということで、いつか必らず読もうと思っているうちに数十年が経過しました。
しかしこの度、この前の 「午後の曳航」 がよかったこと&最近リリー・フランキーで映画化されたことをバネにやっと読み。あめでとうございます。

前半アクティブでおもしろい。
でも、後半はほぼドストエフスキーチックなディスカッションのエンドレス。つまりそれがハイライトなので........小説としてちょっときびしい。

映画は別モノとしても、小説としてもきびしいシロモノをなんでわざわざ映画にしようと思ったんだろう。
きびしいなあ。

そういう感じの 「美しい星」。


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「午後の曳航」



午後の曳航

この夏の朕の本読み。1冊め。

その半生を 「海 (死)」 とともに生きてきた美しい船乗りが、ある日を境に 「海 (死)」 を放棄し 「陸 (生)」 にあがる。その結果、あたりまえだけどブタとなり、最終的に 「海たち (死たち)」 によってお清めされる話。

「午後の曳航」 という神がかりなタイトル。
もうそれだけでめまいがしそう、という人以外読む必要ありません。










非人


ちょっと前の朕の発言。

「国籍も人種も関係ない。日本がなくなりそうになったとき、抵抗するのが日本人、しないのが外人」

そのことを考えているうちに、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの短編 『男たちの知らない女』 のことを思い出した。

『男たちの知らない女』 は、「衝撃のフェミズム小説」 といわれている。
でも、「日本がなくなりそうになったとき、抵抗するのが日本人、しないのが外人」 という発想でとらえなおしてみたら、ホントは「外人小説」なのかもしれない。

で、そう思った直後、もっと恐ろしいことに気づいた。

『男たちの知らない女』 は 「フェミズム小説」そして「外人小説」 だけど、でもホントは 「フェミズム小説」「外人小説」 じゃない。
「動物小説」 ざます。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアは、たぶん、「女 (=外人)」 という形式の 「動物 (=非人)」 を描いている。

ああ。

『男たちの知らない女』

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア短編集 「愛はさだめ、さだめは死」。
『男たちの知らない女』 収録






「ポッポ・アート」 スージー甘金 (1991)

欅坂46のナチ・コスプレがらみで思い出した。
(テーマ的には、ちょっとズレるんだけど......)

昔、「世の中に黒人差別 (人種差別だったかな?) がないかどうか?」 をずーっと監視してるファミリーというのがいた。大阪の一家だったかな。
「ちびくろサンボ」や「カルピス」の件で有名になった。

そのファミリーの不断の努力によって、当時、朕が潜伏していた出版社から出たスージー甘金の画集が発売直後にお蔵入りになった。
「 “南の国の土人” が描かれている」というクレーム一本で、できたてホヤホヤが出荷停止。朕がスージー先生のところへ何回もお使いに行って、何ヶ月もかけてやっとできた画集だったのに。ははははは。
発禁になったけど、朕は編集してた親分から 「ポッポ・アート」 を1冊もらった。

あのご家族。いまはどうしてるんだろう.......

ポッポ・アート

・黒人差別をなくす会
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E4%BA%BA%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%82%92%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%99%E4%BC%9A




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正しい被差別


母よ!殺すな

https://www.amazon.co.jp/%E6%AF%8D%E3%82%88-%E6%AE%BA%E3%81%99%E3%81%AA-%E6%A8%AA%E5%A1%9A-%E6%99%83%E4%B8%80/dp/4903690148


横塚晃一 「母よ! 殺すな」 はおもしろい本ざます。

「青い芝の会運動」。
日本史上最もラジカルかつ正当な反差別運動が、必然的に着地せざるをえなかった極めてタチの悪いギャグのようなゾーン。

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「脳性マヒ者にとって一番不幸なことは脳性マヒ者の親から健全者といわれる子供が生まれることである」といったらカンカンに怒られるであろうか。黒人の親から黒人しか生まれず、部落民から生まれた子は部落民として扱われる。我々の運動が同じアウトサイダー運動といっても、黒人の人権差別運動や部落解放運動と異なるところはここなのではあるまいか。
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「正しい被差別」 が全然わかっていない。何の考えもなくボンヤリと生まれてきた健全な子供にむかって、口汚くダメ出しするつかこうへいの姿が見えるようざます。
「お前の人間としての卑しさ、哲学のなさが、お前をしてそういうみすぼらしい五体満足に至らしめてんだよ。なんだそのノビノビとした手足は! 恥を知らない人間に手とか足はいらねえんだよ!」

ウケる。

つかこうへいについての説明などしない。
・熱海殺人事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E6%B5%B7%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6



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自白

◆ 障害者

とにかく電燈すらない山の中の生活であり、次々と落伍者を排泄しながら、始め3~4人であったものが二十数名にもなった。そして三年経った頃、四組のカップルが生まれ、三人の子供も誕生した。(略) しかし、この時期から共同体 (脳性マヒ者の共同体・マハラバ村) は音を立てて崩壊していった。

「私達は障害者だからこのような生活でも仕方がないが、この子達は健全者なのだから健全者の中で育てないと社会性が身につかない。子供達の将来のために一般社会の中で暮らした方が.....」 との言葉を残し次々に山を去っていった。
私も44年2月既婚者の最後として妻とともに山を下りた。

マハラバ村崩壊の原因をあげる場合、(略) 長年持ち続けてきた健全者への憧れを自分が我が子に乗り移ることによって満たそうとしたことであろう。
(略)
親が子供にむかって「御飯はお箸できれいにたべなさい。こぼす人はおバカさんですよ」と言う。この極くあたりまえの言葉が我々の家庭ではあたりまえどころではない。
親は匙をガチャガチャいわせながら、こぼしこぼし食っているのである。しかしこの子らは、保育園、小中学校と進むにつれて健全者社会の教育をされ、常識をいや応なしに身につけていくだろう。そして、その常識をもって親を見、「先生が言ったよ」 ということになるだろう。
しかしながら我々はあくまで 「それが何だ。常識の方がまちがっているのだ」 と開き直らなければならない。でなければ我々の存在は抹殺されてしまう。

~横塚晃一 「母よ、殺すな!」



◆ 女

キャリアウーマンとして男性に伍して働いてきたエリート女性、生活のために働いてきたパート主婦、(略) 先行世代のあらゆる働き方が今や忌避されているのである。

まず、エリート女性を目指すことが困難なことは自分の偏差値を見ればわかる。もし専門職に就けても、仕事ゆえに家庭を持たないのは淋しすぎる。
仕事と家庭を両立するために生き甲斐も意味も見いだせない仕事をするのは耐えられない。(略)

夫は経済のために必要だ。子どもは夫よりなお重要だ。出産と育児は体験価値のあるイベントであり、女性なら一度は体験してみたい。(略)

大衆はフェミニストの 「啓蒙」 するところには行かなかった。(略)

結婚が女性に保障してくれる三大特典 ── 保障された年収・達成義務からの解放・豊富な余暇時間 ── は、決して手放さず、その上に立って、社会から認められ、仲間から羨ましがられる仕事に就きたい。子どもがいても、生活臭のない、社会と繋がった仕事をしたい。生活のための労働は、奴隷(男)にさせ、自分は貴族のように意義ある仕事を優雅にしていたい.......。

~小倉千加子 「結婚の条件」


              *


障害者が自白し、女も自白した。
だから、近いうちに、男にも自白してほしい。

自分のことだから自分で自白してもいいんだけど、朕はもうそういうド変態マゾヒストからは卒業して、スマートな社会人になりたいから、どこかのリベラルなモラリストがかわりに自白してくれるといいんだけどなあ......





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「父子家庭が男を救う 」 重川 治樹 (2012)

父子家庭が男を救う

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新聞記者の仕事につきながら、二児を育てた著者は、「育児」が「育自」であることを発見し、今日の社会をより豊かにするために、全ての男性が「父子家庭」を体験せよと提唱する。男女の解放と父子家庭。
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父子家庭のパパは、教職とか芸能とかライターとか朕みたいなデザイナーとか、そういうレアなゾーンにいる場合が多い。
そして、そのような特権性にこそ、「お気楽な父子家庭 」というストレンジが出現できるトリックがある。
(そのへんの事情は、もちろん、「未来を切り拓く女縁ネットワーク」とか「明るく楽しい母子家庭 」とかを演出するフェミニストやシングル・マザーにも共通している)

これは、そういうトリックが使えないサラリーマンが書いた父子家庭論。
だから、教職とか芸能とか朕みたいなボウフラ野郎とかの超イケてる自由人(!)が読むと、普通のオジサンならではのちょっと大仰すぎる苦悩のしかたがアウト・オブ・デイトで、違和感がある。
そして、であるからこそ信用できる、ということでもある。
(でもまあ、しょせんマスコミだからまだ生ぬるい環境なんだけど......)

おぎやはぎみたいな卑怯者じゃない大多数のまともな男(笑)は、かならず、“とんでもない悪” であるらしい男権社会の価値感に首までドップリつかっている。
だから、“男権社会の重症患者” であるらしい普通の男たちが困ったときに、本当に役に立つのは、こういう公式なオジサン(!)の話だと思う。

この手の本としてはめずらしいフェミニストとフェミ男へのダメ出しは共感できる。
そして、ごく普通の “とりあえずは上手くいってるわ” という女性たち&奥さんたちに対するイチャモンも、それなりに順当だと思う。



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「男性漂流 男たちは何におびえているか」 奥田祥子


男性漂流

2015年の本。
内容はうすい。
「クローズアップ現代」程度。
読んでて、一番「あ、やっぱそうなんだ.....」と思ったことについては、以下のアマゾン・レビュー参照。

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それから一番言いたいのは、奥田さんが私を苦しみから救ってくださったことです。
「育児がこわい」の章で、奥さんが実はだんなさんが思ってたのとは違って、だんなさんには仕事で頑張ってもらって、自分は子育てに専念したい、という本音が出てきますが、実は私もその通りなんです。
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で、この本の内容を一言で言ってしまうと、「男はあいかわらず、自発的にがんばってしまう、という抑圧設計。それが多くの受難の原因。だから意識して逃走&放棄したほうがいいかも」みたいな感じ。

というわけで、近未来予想図。

この本にある「働く女性の多くが管理職になりたくない」というレポートや上記アマゾン・レビューのような女性と、もうがんばらないことにした男たち、という構図をかんがみれば、近い将来、両者のあいだで血で血を洗う熾烈な抗争が巻き起こるであろう。

で、以上の記述からの朕の結論。
「そういう抗争、それが本来は、経験とか学習とか呼ばれるものざます」

ヒャ~、またしても上から上等~~~

(おまけ)
まあ、そんなことは、何十年も前の橋本治の恐るべき発言、
「オレ、女が戦争に行かされないことに本気で怒るオトコだからね」
でわかってたけど......。
やっと、時代が追いついて来た、ってことかな?





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市村弘正の 《経験》 論

SEALDs的なものと在特会的なものは、似ているような気がする。
なんでかって言うと、どっちも小学生でもわかるくらいに明瞭だから。明瞭に「善」。明瞭に「悪」。
さらに、異様に登場が早い。ということもある。
そういう明瞭さ&スピーディーさが、なんだかちょっと.....コンビニとかネットっぽい?

で、以下すべて引用。

    *    *    *

物がその故郷を失い商品や製品へと姿形を変えられるとき、その「変態」は、例えばいも虫から蝶になる生物の変態とは異なって、購買者ないし消費者としての人間の眼を驚かすものではない。その商品や製品の形態に私たちはたちまち馴染んでしまう。
すなわち、物の変形が人間自身の変形を促すのである。物を生産するとは、まさしく「対象のために主体を生産する」ことなのでもあった。

しかしその突破口もまた、その変形と殺害の現場を離れてはありえないだろう。
たとえば、「廃材」つまり商品世界の敗残物や脱落物を用いて作られたバラックが、建売住宅にない材質感と存在感を逆説的に獲得することがあるように、私たちの社会において、滑らかな快適さと生きた経験とは反比例する。

この事実は、現在の可能な経験が失敗や逸脱を一つの核として含みもつことを示唆するとともに、商品世界からの疎外物との接触交渉が、私たちの疎外態を認識させる、だけでなく、束の間にせよそれを切開しうることをも示している。
転倒した交換世界が「疎外の疎外」を通して垣間見せる物の二重性が、人間自身の二重性として現われることによって、その分裂のうちに「突破口」を指し示すのである。
それを抜きにして救済や復権を語るのはハッピーにすぎるだろう。
~「物への弔辞」

    *  

伝統的な周縁存在者たちの多くが集まる木賃宿は、しかし横山(源之助)の下層社会論(明治32年)の中で何ら変革性を見出される存在ではなかった。かれはその実情に圧倒され、もっぱら同情をもって木賃宿改造論をとなえる方向にむかうのである。

「貧賤なる劣者は、之を相救わずして之を逐ふが如きは、人類相生養する博愛の義焉くに在るや」という桜田文吾の言葉は「社会問題」家に共通した感覚であった。

そこには、「劣者」のもつ劣位性が、現実にはたえず敗れながらも切りひらいてゆく世界は、全く想像の外であった。それだけ彼らが伝統社会と切れていたということかもしれない。それは文明社会にふさわしい「博愛」の平板な色彩で塗りこめられてゆく。
~「都市の周縁」

    * 

一義的に自足しうる信念の世界が解体して不確定な状況のもとに生きる人間たち、さらにいえばそれを解放へともたらすべくしたたかに生きる者たちを描き出す劇の全体構図を、『忠臣蔵』の世界から排斥されているという位置において一身に担ってみせるのが伊右衛門(『四谷怪談』)であった。
「忠義」によって統一された世界に住むことを許されないこの不忠の臣は、状況との付き合いかたにおいて、いわば解体状況の忠臣として行動しているのである。伊右衛門の「人格」の不連続な在り様は、かれにおいて時代と社会の崩壊が内面化されていることを示している。そうして、その内面の分裂を統合し態度決定へと動員する能力こそ、伊右衛門の「悪」にほかならない。
(中略)
伊右衛門の罵詈雑言を甘受していたそのお岩が、「世にも見にくひ悪女のおもて」への変貌をへて亡霊となって現われるとき、その態度を一変してきわめて能動的に動き出すのである。(中略)それはまさしく顔という「秩序の崩壊」が出現させた「逆転」であった。
(中略)
それは不可逆的に通り過ぎる時間としてやりすごせるものではなく、繰り返し呪力を帯びて立ち現われてくる「時」であった。
こうして、敗残者や零落者によって生きられる時空間は、時代と社会の崩落の中でその異形化において自らを押し出し、その敗北と零落の深さ故にこそ生き生きと動き出すという劇的な「逆さま」の世界が出現する。お岩の「変貌」は、それを鮮やかに表現している。
(中略)
お岩をしてこのような地平を切りひらかせたのは、他でもない伊右衛門の悪逆であった。お岩の経験は、時代の解体性と社会の状況性とを全面的に宿す存在を、否定的な媒介とすることによって獲得されたのであった。 
~「都市の崩壊──江戸における経験」

「名づけ」の精神史



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「生活保障」 宮本太郎

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・「生活保障 排除しない社会へ」 宮本太郎 (2009/11/21)

生活保障 排除しない社会へ

社会保障が不安定な立場の人たちを排除するというとき、制度がその入り口で人々の加入を認めない「制度的な排除」と、制度には加入していても現実には保険料や自己負担を担うことができない「実質的な排除」がある。
(中略)
制度的にであれ、実質的にであれ、社会保障や公共サービスが、本来はもっとも力を入れて支援するべき人々にとって活用できないものとなり、結果的に一部の人々を排除し始めている。大沢真里がこうした現象を社会保障制度の「逆機能」と呼んでいるのは正鵠を射た表現である。
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なぜそうなってしまったのか?&どうしたらいいのか? について考える本。

妙なニュー・アングルなんか持ち出さないで、昭和~平成のごく普通の人間たちの共通感覚をベースにして論をすすめてる感じがかえって新鮮。

なぜそうなってしまったのか? の分析は明瞭かつ説得力あり。
どうしたらいいのか? についてはこれから読む。そんなに期待してないけどね。ははは。


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もう一度、「それはスポットライトではない」

・「エネルギーと公正」  イヴァン・イリイチ
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%A8%E5%85%AC%E6%AD%A3-%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%A4%E3%83%81/dp/4794959133/ref=sr_1_8?s=books&ie=UTF8&qid=1453911242&sr=1-8#customerReviews

朕の第3書庫(徒歩5分)の奥の奥の方で発見。

ロッド・スチュアートや淺川マキ以前に「それはスポットライトではない」と言った人ざます。
「エネルギーと公正」「創造的失業の権利」の2本立て。
たぶん、5年に1回くらいしか読まれない本だから、今回はこの朕がじっくりと読んでやる。

エネルギーと公正


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「自殺」  末井 昭

自殺

朕にとって末井昭は「スウェイ」ざます。

一部で伝説みたいになってる70年代末期のアングラ・サブカル雑誌「ウィークエンド・スーパー」。それを作ったのがスウェイ。
朕はハイスクールの頃、軽めのエロ本だと思って買ったら、中身は生理痛みたいなアラーキーの白黒写真と生理痛みたいなナンセンスだらけだった。

スウェイはアラーキーの命名。アラーキー的にはたぶん「sway」なんだと思う (......超意味ね~)。

スウェイの「自殺」はとってもラブリーな本ざます。なぜならスウェイが並外れてラブリーな人だから。
スウェイがどんな風にラブリーなのかについては、おあつらえ向きのアマゾン・レビュー(ディスり)あり。

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★★ 普通ですね!
「講談社エッセイ賞」受賞作品、西原理恵子やいとうせいこうの推薦がある理由で読んでみました。内容は何処にでもある苦労自慢話で普通ですね。昭和20年から30年代の閉鎖的な田舎なんて何処も同じで比較的温暖な岡山よりも東北や北海道の僻地の方がもっと凄い偏見や差別がありましたよ。兎に角、文章が小学生低学年みたい(というか思考レベルが幼稚)な表現で読みづらかったです。もう講談社のエッセイ賞は読まないでしょう!
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う~ん、な~んにもわかってない子ちゃんねえ~。サミシィ~~~。

末井昭




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「桃」  姫野カオルコ

桃

「桃」は、姫野カオルコ 「ツ、イ、ラ、ク」 のスピン・オフ。もうひとつの 「ツ、イ、ラ、ク」。

          *

けっしてフリーではないジェンダー、女性蔑視、いびつな性欲、その他もろもろ。
かつてはあって、現在には、あってはならないらしいもの。

そういうあってはならないものだけが、増え続ける。
そういうシカトだけが、増え続ける。増え続ける。増え続ける。
ひとも町も記憶もどんどん減っていくだけの世界で。

もはや、あってはならないらしいもの。
しかし、まだ、「描き残す」ことまで禁じられたわけではない。

《追記 ──というより、こっちが本論》
ふたりのにんげんが出会い、恋におちてしまうという奇跡。
最もあってはならないものは、「桃」の時代も、そして現在もなお、奇跡が暗喩する「選民性」につきるのかもしれない。

「恋」という突出&陥没をめぐる世界の「たじろぎ」を描く短編集。


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「ツ、イ、ラ、ク」 姫野カオルコ

ツイラク

「恋というものは、だれにでもできるものではない」
知られざる ── そして本当は全員が知っている── この世の真実。それをつきつけてくれる。

恋はするものではなく、おちるもの。
だから、人が恋におちることなんて、めったに、ない。
そして、その「めったにおちない恋」に、ふたりの人間が同時におちることなんて.......まず、ない。もしあったなら奇跡に近い。

ここに描かれているのは、そういう奇跡。つまり、ただの恋。

傑作かも。

* しかし、なにをどう考えたら、ここまで最悪なタイトル&カバーデザインになるんだ.....

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「昭和の犬」 姫野カオルコ

その昔好きだった姫野カオルコをひさかたぶりに読む。

1冊目は近作「部長と池袋」(2015)。
あまりのつまらなさに呆然とした。なにもかもがいやになった。まちがいだった。朕の人生は100%まちがい。そう思った。
ショックだったから急いで安物の薬物を注入摂取。
ややあって、なんとか気をとり直したるのち、2冊目は「昭和の犬」(2013 直木賞)ざます。

よかった。
「犬」はよかった。朕はまちがっていなかった。
朕はまちがってなかったし、姫野カオルコのカオルコたるゆえんのカオルコ感がうれしかった。

やはり姫野カオルコは真人間だった。
真人間とは、「自分は自分ですから....」と自縄自縛する渡哲也のような宿命から脱出できない人。しない人。それゆえ、真人間は最初から最後までおなじ場所でおなじ物語だけををつむぐ。
屋外の粗末な居所。毎日そこでぼんやりと小さな世界をながめていた昭和の犬。

小さき祈り




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「庶民烈伝」 深沢七郎

朕の住まいから徒歩2分の「朕のご本の館」で文庫の新装版を発見。20年ぶりくらいに読みかえし。
当時も印象的だった「おくま嘘歌」がやっぱりイケてる。大朕波羅賞。「土と根の記録」も波羅賞なハード・コア。

ずっと思っていることだけど、「人権」とか「表現の自由」ってそんなに大事なことかな? 
大事なことは言わない。大事なことだから。
本当の気持ちはおもてに出さない。本当のことだから。

「庶民烈伝」が描くのは、そんな、今も昔も変わらない朕たちヒューマンのイズムざます。

庶民列伝


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生きながらブス殺しの汚名に葬られ

20代、つかこうへいに出会い心躍った。

正調を旨とするがゆえに屈折してしまう感情とロジック。そんなつかこうへいのきわめてエゴイスティックな「潔癖性」に共振した。
ま、あたりまえざます。自己チュー同士だから。

つかこうへいはもうずいぶん前に死んでしまったけれど、ある日のラジオで、実の娘がつかの実像について証言していた。
「私たち家族は、劇団の人たちとは、一度も会ったことがありませんでした(父は家族と劇団を100%遮断していました)」

自身が著作などで繰り返し述べているとおり、つか流の「正調」の中では、芝居(芸能)とは「この世で最も賎しい人間がたずさわるもの」だった。ゆえに、座長である自分自身は「賎しい人間の中で最も賎しい人間」という位置づけだったと思う。
そんなつかにとって、家族とは「最も尊いもの。絶対不可侵なもの。最も賎しいものから最も遠いもの」だったのかもしれない。
そして、そういうつか流の “筋の通し方” は、当時隆盛を誇っていた唐十郎に象徴されるアングラ文化の、劇団員も家族も、舞台も客席も、外も内も、いっさいがっさいを同等とみなす共生的な世界観とは完全に対立するものだったと思う。

娘の印象によれば「甘すぎて困るくらいやさしいパパでした」。
役者たちの印象によれば「ほんとはヤクザなんじゃないかと思うほど怖かった」。

そういうことだった。そういう人だった。
そして、朕は、そんな “オレの正調” 以外な~んにも信じないつかこうへいが大好きざます。

「熱海殺人事件」「飛龍伝」「寝取られ宗介」etc ...
トーレードマークのダレたグラサンは、たぶん、そんなつかこうへいの「正調ゆえの乱調」の意匠だったんじゃないかと思う。

つかこうへい

飛龍伝

飛龍伝2013

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「江戸しぐさの正体」 原田 実

http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20140912/E1410451561527.html

去年でた本。
そこそこ話題になってたみたいざます。

原田実。
なつかしいね。恥ずかしいね。そういうアンビバな気分。

原田実は、眉唾な歴史・オカルト業界で、80~90年代に暗躍してた業界御用達のマユツバな眉唾文明史家(笑)ざます。
原田実のホームは「古史古伝」「偽史」で、その役割は、依頼におうじて眉唾ネタをピックアップし、あらためて「マユツバだ!」と糾弾することだった。

「古史古伝」「偽史」っていうのはね、正史『古事記』『日本書記』をジャイアンツと仮想して目の敵にするタイガース『東日流外三郡誌』『上記』なんかのことざますが、まあ、いまや誰も知らないジャンルだね……。
灰野敬二さんくらいざんしょ、いまだに信奉してるのは、あははははは。

あれから4半世紀。
朕が潜伏していたニューエイジ&オカルト・マガジン「Az」編集部も「歴史読本・オカルト部門」編集部も、とうに遠い記憶になってるから、「ムー」も「たま」も「八幡書店」も、朕の視界からは消えちゃったけど、実はまだまだ健在なんだよね。

「江戸しぐさ」か。
いいの見っけたな。星海社っていうのも泣かせるざます。

アズ

歴史読本オカルト

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独走という名前 「アンバージャック」 ジェイムズ・ティプトリー Jr.

米空軍とかペンタゴンとかCIAで働いたあと、SF書いて、最後は、アルツハイマーでガンガン馬鹿になってゆく旦那を約束通りショットガンで射殺したるのち、自分のドタマもブチ抜いて死んだ女・ジェイムズ・ティプトリー Jr.。旦那もちのレズでした。

「ああ、読んでいいわよ。ただのネビュラ賞だけど。読めるんだったら、読んでいいわよ、おバカさん」と言わんばかりの偉才&異才を証明されてるみたいな超絶短編集。

愛とさだめの形而上学に生きる異生物のカタストロフ賛歌「愛はさだめ、さだめは死」、フェミ・レボリューション「男たちの知らない女」、ほか。
(ちなみに、「男たちの~」は、フェミ・レボリューションというよりも、超ガサツな未来派ウイメンの話。そしてもっと言えば、そもそものティプトリー Jr.本人のヒューマンとしての品性さえあやしくなってくる内容。もう一回言っておくざます。旦那もちのレズでした)

で、朕のお気に入りは「アンバージャック」。

超短編2・3ページ。
そして、そのたったの2・3ページが、読んでも読んでもなんにも理解できない。
読んでも読んでも、カッターで切り刻んでも、硫酸かけても、サルが読んでも、ブタが読んでも、絶対に、な~んにも理解できない。

ご、ごいす~~
負けざんす。朕の。

負けたついでに、まったくの直感だけでものを言っておく。
「アンバージャック」とは、独走する孤独の名前なのかもしれない。

ジェイムズ・ティプトリー・Jr

愛はさだめ、さだめは死


テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

曲解!「欲望と黒人マッサージ師」

きのうのトピックのおまけざます。
                   *
ドイヒ~小説「欲望と黒人マッサージ師」は、

①「したい。ひとに言えないことだけど」
から始まって、やがて、
②「してる。ひとに言えないことを。コソコソと、みんなに隠れて」
になって、んで、そんなろくでもないことをリピートしてるうちに、欲望が、
③「もっとコソコソしたい。もっともっと隠し立てをしたい。どんどん隠れたい」
の方に脱線していって、最終的にはその夢かなって、
④「お隠れになった」

という、うわっつらのドイヒ~以上にトゥ・マッチなお話かもしれない。ざます。

呪い


テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

恍惚を噛み殺す話 「欲望と黒人マッサージ師」

テネシー・ウィリアムズの短編ざんす。

会社員だったかな? 公務員だったかな?
ま、どっちでいいか。
ま、そういうどうでもいい会社員とか公務員のやつが、ある日、ニガーに按摩してもらったら、びっくりするくらいヨかッたんで、通いつめて通いつめて、人知れず全滅する話ざます。
                     *
ああ、朕も、ひとの見てないところでしたいなあ。ひとに言えないこと。

昔、早川義夫が、「線はのびて行くが、点は爆発する」って、お得意のコピー・ライティングでいばってたけど、この話の会社員だか公務員だかは絶対にそんなあさはかなことは言わないはず。
どうでもいいやつなぶんだけ、自分の快楽に関してだけは口うるさくチェックする。そういう命根性のきたないタイプだから、きっとこう言うはずざます。

「点は爆発する。コソコソと、誰も見てないところで、恍惚を噛み殺しながら」

さすが、名にし負う「欲望という名の電車」。民度が高い。
「点は爆発する」って、アータ、そんな晴ればれと解放してたんじゃ、アメリカのド変態どころか、普通のジャパニーズにさえ鼻で笑われちゃうわよ。
あ! アータ、もしや、中国人ざますか?

ああ、朕も、ひとの見てないところでしたいなあ。民度の高いこと。

《追記》
義夫の歌は好きざます。なかでも、この歌は大好きざます。
ひとに言えないことなんて、そりゃ、だあれも知らないでしょう。ウヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ。

「知らないでしょう」 早川義夫


《追記2》
「どうでもいいやつ」「どうでもいいやつ」って言いすぎざますが、このどうでもいいやつは、そう言ってほしいタイプのどうでもいいやつざます。
そんな切なくもどうでもいいココロを汲んであげてるだけざます、朕は。やさしいから。

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「池袋・母子 餓死日記」

「巨大都市東京のド真ん中、豊島区・池袋のアパートで、77才の母親が41才の息子と共に餓死するという事件が起きました。死亡した母子は4月27日に発見されましたが、死後20日以上経過していたということです。母親は今年3月11日までA6判のノート10冊に綴った日記を残していました。豊島区は6月14日「餓死した背景を明らかにする社会的意義がある」ということで豊島区情報公開条例に基づきこの日記を一般公開しました」
                      
          *

1996年に出た本。
出来事として外野(世の中)からはショッキングというレッテルを貼られちゃうけど、これはある種の信仰生活の記録で、当事者にとっては「ザイン」ではなく「ゾルレン」の問題だったんだろう。

信仰って「ゾルレン」だよ。
キリスト教やイスラム教のような大宗教の信者でも、標準的な信仰なんてしてないと思う。
個々人自分勝手にキリスト教徒、イスラム教徒なんだと思う。

だから、「ザイン」ではなく「ゾルレン」の問題。
じゃなかったら信仰と呼ぶに値しないじゃん。

池袋母子飢死事件


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「ピカピカのぎろちょん」 

黙示。
朕は黙示というメソッドが好き。

「ピカピカのぎろちょん」のブック・ジャケットは、「ネガティブ(ことば)×ネガティブ(絵)」というネガティブの二乗によって、 《冷笑の肯定、そして、冷笑への反逆》 という、この稀にみる児童文学の過激な異化作用を黙示する。

奇跡的なくらいクールざます。

ピカピカのぎろちょん2
「ピカピカのぎろちょん」 佐野美津男+中村 宏


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S ── 「知覚の呪縛」

古書1円で買った渡辺哲夫「知覚の呪縛 病理学的考察」が届いた。

「Sとは、もちろん病者の固有名詞のイニシャルである。そして、これ以降、Sなるアルファベット文字が、“Sは” とか “Sが” など、主語として、あるいは主体表記文字として用いられていく。だが、これは誤用あるいは不可能なことであろう。なぜなら、Sという文字で特定されるこの女性には、主体ないしそれに類する事柄が欠けているからである。Sという名の自己同一的な個人がいないからである。主語としてSなる文字を使うたびに、私は事実を歪曲し隠蔽することになる」

「私は実人間なんだそうです。実人間はオタチギエ(お立ち消え)できません。現われっぱなしです。実人間はオタチギエは死ぬことなんです。私だけ折りたためないで、ナクナレないんです。鉄のような人間、鋼鉄棒人間、硬度人間、異常人間だそうです。今の私が有り過ぎるんです」

20年近く前に読んだ市村弘正「名づけの精神史」以来の気がかり。
やっと、S に会えるざます。

知覚の呪縛 単行本

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2017-08

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朕

Author:朕
オーチン・ハラショー。朕ざます。
朕は、麻呂や主のようなものざます。
東京都在住。朕&ドーター&ボーイ。3人暮らしの朕ざます。

 

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