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サウンド・オブ “ サイレンス&ザ・キャット”

猫が好きではない朕の家に、ある日突然、猫が1匹すまいはじめていた。以降、もうかれこれ10年以上にわたり、その猫に苦しめられてきた。

対立ばかりだった夫婦の新しい対立理由にもなったし、ずっと後になってからは、朕とドーターとの間に小さな対立を引き起こした。
一家という単位で考えた場合、猫がいて良くなったことはなにひとつなかったと思う。猫さえいなければこんな問題はおこらなかった、ということばかりだった。

そして、訪れた離婚。
朕&ドーター&ボーイ&猫になった家。
住まいが破壊されていく。毛、ダニ、雑菌、糞尿、臭気。なにもかもが苦痛だったが、なにより吐き散らしが耐えられなかった。猫が吐いたものを処理しながら朕が嘔吐することもたびたびあった。
とにかく散々な目にあわされてきたため、ますます猫嫌いになった。

ただ、朕は猫を虐げることはしなかった。
猫には罪はなかったから。

しかし、これまでに1度だけ、本気で猫を呪ったことがある。
3.11 東日本大震災の直後。新居への引っ越しの日。
数日前から体調をくずしていたボーイ(当時小5)は、引っ越し当日にはひどく高熱となり、立ち上がることもままならない状態だった。
朕はもちろんボーイを背負ってやりたかった。しかし、それは不可能だった。
猫を入れた大きなバッグで片手がふさがっていたから。
朕は苦しむボーイを励まし続けた。そして、最寄駅から新居までの10分程度の道を、30分以上かけて無理やり歩かせた。
かわいそうでならなかった。
朕はあの時、「この猫をこの場でただちに叩き殺してしまいたい」と思った。

            *

そのようなせつない思いをしてようやくはじまった新生活。
リフォームされたきれいな室内。新品の青い畳。
そのきれいな畳を、猫はあっという間にボロボロにしてしまった。
ブチ切れた。というより、心が折れた。心がズタズタになった。心の底から「もう嫌だ」と思った。

            *

猫はその後もかわりなく、つつがなく暮らしている。いまはドーター&ボーイの勉強部屋を占拠している。
そこは、冬場にはふたりのためにこたつをおいてやる予定の場所だった。しかし、とうに荒れ果てあまりにも不衛生でそれはかなわない。

まもなく12月。受験をひかえたボーイは、寒い勉強部屋の机から、朕とドーターのいる暖かい居間へと移動し、毎日熱心に勉強している。
最小限にしぼったテレビの音。シャープペンが文字を刻む音。ページをめくる音。ドーターが携帯やゲーム機のボタンをプッシュする音。子供部屋で猫がツメをとぐ音。
サウンド・オブ “ サイレンス&ザ・キャット”。

猫




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テーマ:猫のいる生活 - ジャンル:ペット

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朕

Author:朕
オーチン・ハラショー。朕ざます。
朕は、麻呂や主のようなものざます。
東京都在住。朕&ドーター&ボーイ。3人暮らしの朕ざます。

 

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